難病になって、会社を休職し、籍を残したまま傷病手当金を受給していました。
再発を繰り返し、入院をすることになり、治療の目処が立たないため、会社を退職し療養に専念することにしました。
傷病手当の受給期間(1年半)が終わり、1年半の間に3回再発。入院治療も行ってきました。
満額すべて受給するなんて思っていませんでしたが、傷病手当受給中にやっておいてよかった手続きがあります。
もし、あなたが難病で会社を辞めて療養することになったのであれば、真っ先に
『雇用保険の基本手当の受給期間延長申請』
を行ってください。
ハローワークに以下ものを持って行って、
「雇用保険の基本手当の受給期間延長を行いたいです」
と伝えれば手続きをしてくれます。
- 離職票―2
- 延長理由を証明する書類(診断書、医療明細書、傷病手当受け取りハガキ)
- 個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード)
- 身元確認書類(運転免許証、マイナンバーカード)
- 印鑑(認印可、スタンプ不可)
目次
雇用保険の基本手当(失業手当)とは
失業保険の基本手当とは、簡単に言うと、
『再就職の意思があり、雇用保険を離職日以前の2年間に通算12か月以上支払っていた方(被保険者)』
が受給対象者となります。
難病の療養のために会社を辞めている状態は、失業手当の受給対象者とはなりません。
失業手当の受給者と認められるのは、
「就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない」
という人です。
療養中は、傷病手当を受給しましょう。
失業手当の延長をしておいた方がいい
会社を辞めて、療養に入る時には、すぐに失業手当の延長の手続きを行いましょう。
失業手当の延長を行っていれば、治療・療養がひと段落して、体調が落ち着き、働ける状態になって、就職活動を始めた際に『失業手当』を受給することが出来るからです。
失業手当の受給期間は1年です。
失業手当の延長の手続きをせずに1年を過ぎてしまうと、受給することが出来なくなってしまいます。
難病患者の場合には、治療が長期間になることもあります。
会社を退職する際には、これほど長期にわたって入退院を繰り返し、働きに行けない、ましてや家事すらできない状態になるとは思ってもみませんでした。
難病になり、会社を退職するのであれば、すぐに失業手当の延長をしておきましょう。
そうすれば、働こうと思った時に、就職活動中に失業手当を受給することが出来ます。
(参考)療養中は、失業手当の受給対象者とはならないので、基本手当を受け取ることは出来ません。
私は、傷病手当を1年半受給しました。
失業手当の延長解除と、いつからどの程度の期間受給できるのかについて
体調が落ち着いてきて、就職活動を始めようとした時に、失業手当の延長の解除をハローワークで行いました
現在は失業手当を受給しています。
失業手当の延長解除には、【今は働くことが出来る】ことを証明する書類が必要です。
失業手当の延長解除の手続きに必要なもの
失業手当の延長解除の手続きに必要なものは、以下の通りです。
- 離職票1・2
- 雇用保険被保険者証
- 受給期間延長通知書
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード)
- 顔写真2枚(300mm×250mm)
- 印鑑(認印、スタンプ不可)
- 銀行口座が分かるもの(通帳)
- 働けることを証明するもの(失業手当を延長する時にもらっていた用紙に医師に働けることを書いてもらって提出)
これだけ書類を揃えて、持っていけばあとは窓口の方が手続きをしてくださいます。
顔写真は、私の場合はプレドニンによるムーンフェイスが酷かったので…、家にあった写真を使いまわしました(4年くらい前のもの…(‘ω’;))。
マスクをしていたため、特に何も聞かれずに使ってもらえました。
難病患者は、特定理由離職者に該当するため1か月後には失業手当が振り込まれる
難病になったことが理由で退職をした場合は、『特定理由離職者』に該当します。
特定理由離職者の範囲
1.期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した者(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。)(上記「特定受給資格者の範囲」のの(8)又は(9)に該当する場合を除く。)(※補足1)
2.以下の正当な理由のある自己都合により離職した者(※補足2)
(1) 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した者
(2) 妊娠、出産、育児等により離職し、雇用保険法第20条第1項の受給期間延長措置を受けた者
(3) 父若しくは母の死亡、疾病、負傷等のため、父若しくは母を扶養するために離職を余儀なくされた場合又は常時本人の看護を必要とする親族の疾病、負傷等のために離職を余儀なくされた場合のように、家庭の事情が急変したことにより離職した者
(4) 配偶者又は扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことにより離職した者
(5) 次の理由により、通勤不可能又は困難となったことにより離職した者
(a) 結婚に伴う住所の変更
(b) 育児に伴う保育所その他これに準ずる施設の利用又は親族等への保育の依頼
(c) 事業所の通勤困難な地への移転
(d) 自己の意思に反しての住所又は居所の移転を余儀なくされたこと
(e) 鉄道、軌道、バスその他運輸機関の廃止又は運行時間の変更等
(f) 事業主の命による転勤又は出向に伴う別居の回避
(g) 配偶者の事業主の命による転勤若しくは出向又は配偶者の再就職に伴う別居の回避
(6) その他、上記「特定受給資格者の範囲」の2.の(11)に該当しない企業整備による人員整理等で希望退職者の募集に応じて離職した者等※補足1 労働契約において、契約更新条項が「契約の更新をする場合がある」とされている場合など、契約の更新について明示はあるが契約更新の確約まではない場合がこの基準に該当します。
※補足2 給付制限を行う場合の「正当な理由」に係る認定基準と同様に判断されます。
通常は、退職して失業手当の手続きをして、7日の待機期間と3か月の給付制限期間があります。
つまり失業してから、4か月目から失業手当をもらうのが通常の流れということです(振り込まれるのは手続きから4か月を終えた頃)。
特定理由離職者に該当した場合は、3か月の給付制限期間がなくなり、7日の待期期間を終えた後、失業手当の受給をすることが出来ます。
難病になって退職した場合は、2の(1)の、
以下の正当な理由のある自己都合により離職した者
(1) 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した者
に該当します。
難病患者は、雇用保険の「就職困難者」に該当しないという事実
心身に障害のあるもの(障がい者)は、「就職困難者」とされ、それ以外の方よりも長い期間「基本手当」を受給することが出来ます。
私の場合は、失業手当を通常であれば90日受給できます。就職困難者に当たるのであれば、倍の180日受給することが出来ます。
難病であることを開示して就職活動をする場合には、面接で落とされる可能性もありますよね。
配慮を必要とする人を雇いたいと思わない企業ももちろんあるでしょう。
難病患者は、就職困難者には該当しません。
ハローワークと保健所の2か所で尋ねてみましたが、該当しないとのことでした。
就職困難者の定義の中に、
「社会的事情により就職が著しく阻害されている者」
とあり、それに当てはまるのではないかと思って尋ねてみました。
「社会的事情により就職が著しく阻害されている者」の定義
以下のいずれかに該当する者
1.アイヌ地区住民
2.高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第20 条の規定に基づく中高年齢失業者等求職手帳を所持する者
3.その他教育・就労環境等により安定所長が就職が著しく困難であると認める者であって35歳以上の者雇用保険における就職困難者とはより引用
ネットで調べていると、難病患者も『就職困難者』に該当するということで手続きをふんだという方のブログを見かけたのですが、その方は車椅子ユーザーのようでした。
特定疾患受給者証では、就職困難者には現在(2020.6)はなりません。
ハローワークの方の説明では、
- 身体障がい者手帳
- 精神障がい者手帳
- 療育手帳
があれば、「就職困難者」に該当するとのことでした。
難病が原因で、身体障がい者手帳・精神障がい者手帳などを持つことになれば、話は別でしょう。
『難病手帳』が出来ればいいのでしょうが、現在は難病に対する就職支援は、一般就労とほぼ変わらない状態です。
まとめ:難病で退職して、療養生活に入るのであれば、兎にも角にも失業手当の延長を1年以内に行いましょう
難病になってから、1年半…もうすぐ2年経ちます。
再発せずに治る方もいる病気ですが、私の場合は、強い薬を多く飲んでいる状態でも短期間で3回も再発しました。
難病で退職した時は、悔しくて、悲しくて、お先真っ暗としか思えなかったですが、兎にも角にも、失業手当の延長をしておきましょう。
薬物治療のみで、家にいるとどうしてもサボっているような気持ちになるかもしれませんが、強い薬を飲んで過ごしているのです。
それだけでも、十分に頑張っている。
そう言い聞かせながら、この1年半過ごしてきました。
私の場合は、治療はまだ続きそうですが、軽い仕事であれば出来そうなので、事務職への就職を目指して、職業訓練に通うことにしました。
療養中は、無理をせず、身体を第一に、毎日楽しく過ごせることを大切にしながら…というのは、難しいですが、小さな楽しみを見つけながら過ごせるように祈っています。
国の制度をフル活用して、療養生活に集中できますように。
それでは♪