ネフローゼ症候群という難病になって、治療をはじめてもうすぐ2年です。
私の人生は、一変しました。
- 「なんて不幸なんだ!」
- 「人生終わりだ!」
なんて思ったこともありましたが、今は少し考えが変わりました。
人生は楽しんでなんぼ、そんな風に思っています。
目次
難病になるなんて思っていなかった
元々身体が強いかと言われると、そうでもありませんでした。
- 生理痛は死ぬほど重いし、
- PMSもひどい
- うつにもなったし、
- 自律神経失調症にもなりました。
- ヘルニアになったり、
- 胃腸はちびまる子ちゃんの山根君のように弱い。
運動や身体を動かすことが好きでも、そんなに身体が頑丈な方でもありませんでした。
でも、私のできる範囲で、誰かを支える仕事をしたいと思って、医療職に就いていました。
なんの前触れもなく、突然難病になりました。
難病の当事者になるなんて思いもしませんでした。
遺伝でもなんでもないのですから、誰がいつなるかなんてわかりません。
夢を叶えたと思っていた、天職だと思っていた仕事
人と関わることは苦手だけれども、人とお話しすることは好き。
緊張してしまうけれども、それでも人と話すことが好きでした。
医療職では、色んな人と関わります。
人の気持ちに敏感で、小さな言葉の違いや様子の違いを観察するのが好きで、仕事に就きました。
悩むことも、仕事で上手くできないこともありましたが、やりがいを感じて仕事をしていました。
「私にこの仕事向いているんだ」
と思っていました。
好きなことと、やりたい仕事と、続けられる仕事と、生きて行くのに必要な仕事はすべて違う
今振り返ってみれば、前職は、好きなことだけれども苦手なことのオンパレードでした。
- 休職して、難病になって、
- 私の本当にやりたい仕事は何なのだろう
- 私が得意とすることは何なのだろう
- 得意とすることでそれを活かすことのできる仕事は何か
と考えたら、前職は、「やりたい仕事」でした。
「やりたい仕事」ではあるけれども、私にとっては人と比べて努力がより必要な仕事でした。
- 苦手なこと
- すごく頑張らないとこなせないこと
- ストレスがかかること
が多い仕事でした。
「天職だ!」と思っていた仕事は、私にとっては、心身共に負担がかかりすぎる仕事。
仕事についてから、何度も心身からSOSが放たれていたのに、私は無視し続けていました。「この仕事が好きだ」「この仕事に就くために勉強してきた」と思っていたので、しがみついていたんですよね。
難病になって、どうしても離れる必要があったからこそ、気付けたことでした。
このまま続けていたら、いくら「やりたい仕事」「好きなこと」であっても、もっと大変なことになっていたかもしれません。
悩みの大きさや深さは比べるものではない
難病のネフローゼ症候群になって、
- 就職のしにくさを感じ、資格取得を目指し、
- 食生活の見直しをし、
- ストレスマネージメントの見直しをしました。
「障がい者」ではないので、国からの支援はほとんどありません。
でも、
- 治療法は確立されていないし、
- 治療法も強い薬を飲み続けなければならないし、
- 治療費はかさむし、
- 再発し続けるのかもしれません。
「障がい者」ではなく、「健常者」と一緒のフィールドで仕事をしていかないといけません。
選ぶ仕事にもよるかと思いますが、
- いつ入院するのかわからない
- 強い薬を飲む必要がある
- 副作用に苦しみ続けるかもしれない。
健常者と同じフィールドで、同じ目線で、就職活動や働き続けるということは、厳しいものがあります。
「なんて大変なんだ」と何度も思い、夜な夜な何度も泣いていました。
ただ、世の中、人それぞれ悩みはみんなあるんですよね。
仕事のあるなし、お金のあるなし、悩みって、そんなことだけではありません。
子育てのこと、家族のこと、見た目のこと、悩みって本当に人それぞれ。
小さいか大きいか、大変かそれほど大変でないか。
そんなこと比べたり、自分の悩みが重大か考えたりすること自体がナンセンスなんですよね。
自分が大変じゃないと思う必要はなくて、
自分はよく頑張っている、と認めたうえで、
他の人も頑張っているんだなーと思えたらいいんじゃないでしょうか。
難病になったことは不便だけれども、絶望することはあっても、「人生のスパイス」だと思う
難病のネフローゼ症候群になって、
- 就職はしにくいし、
- 医療職を続けるのはリスキーだし、
- 免疫抑制剤を飲んでいるなんて、全裸(免疫なし)で世の中を歩いているようなものだし、
- 難病っていうのを説明するのは、すごくすごく難しいし、
- ステロイド(プレドニン)の副作用を説明するのも難しいしめんどくさいし、
もう本当に、「いい加減にして―!」と思います。
世の中に知られていない病気持ちになるということは本当に不便です。
逆に、「うつ病」のように、認知度は高まったけれども、歪んで理解されているのも困りものなのですけれどね。
色々と不便なことはあるし、壁にぶち当たって絶望する事もあります。
「難病の壁」みたいなものを時折感じることがあります。
でも、私は自分の仕事を見直すことが出来ましたし、不幸だとは思っていません。
しあわせなことだらけで、悩みがない人生なんてつまらないと思いませんか?
身体の不調や、家庭の事情でたくさん悩んできて、「悩みなんてない所に生まれたかった!」と何度も思ってきましたが、ここまでくると「人生のスパイス」かな。なんて思ったりもします。
悩みがあったからこそ、気付けたことってありませんか?
苦しいけれども、苦しい思いなんてしたくないけれども、それがなかったら今のあなたはいないのですから。
私らしい人生を歩むために、必要な出来事だった
ネフローゼ症候群になって、
- 苦しい思いもたくさんしていますし、
- 仕事やお金の悩みが尽きませんし、
- 入院治療は死ぬほどつらいし、
- 自宅療養生活も、孤独で誰にも会えないなんて本当に死ぬかと思いました。
再発した時は、実際に死ぬ可能性だってありました。
血液が脱水状態だったので、血栓が飛んで…もしかしたら即死だったかも…なんて考えたこともありました。
それでも、私にとっては、私らしい人生を見直すために必要な出来事だったと思っています。
傷病手当は1年半もらいきっても、治療はひと段落なんてしないし、全然足りません。
ありがたいことに、傷病手当金と失業手当金を2年近く受給させていただいて、生かされているなぁと感じます。
今は、薬の量が少ない量で安定している期間なので、次の仕事を考えるにあたって勉強を進めています。
- 今まで考えもしなかった仕事、
- 自分が得意なこと、
- 今後どうやって生きていきたいのか、
- 自分の強み・弱みはどこなのか、
一度しかない私の人生をどう生きたいのか考える時間になっています。
私が、私らしい人生を歩むために。
あなたも、あなたらしい人生を歩むために。
誰かと比較することなく、あなた自身を生きる時間を考えてみませんか?