忘れられないほど美味しかった大福があります。
それはどんな大福だったでしょうか。
忘れられないほど美味しい大福、一晩寝ても、二晩寝ても、あの味を忘れられない。
なんて、美味しい至福の時であったでしょうか。
忘れらない大福は、私の頭から、寝ても覚めても、味、感触を思い起こさせます。
あなたにも、忘れられない大福はあるでしょうか。
忘れられない大福。それは緑色でしたか?
忘れられない大福。それは緑色でしたか?
その会話は、ある質問から始まりました。
そう、それは、とある日の夜。
忘れられない大福への思いを綴った、あの夜。
忘れられない大福。
「それは緑色でしたか?」
「いいえ。それは白色でした。」
そう。私にとっての、忘れられない大福は、白色でした。
ふわふわの、白い雪のような…やわらかな白色をしていました。
忘れられない大福。………餡は、緑色でしたか?
忘れられない大福。その大福は、白色でした。
とある人は、さらに尋ねました。
「………餡は、緑色でしたか?」
「はい。緑色でした」
私にとっての忘れられない大福の餡は、緑色でした。
優しい、優しい…淡い緑色の餡が包まれていました。
雪のような、やわらかな白色に包まれた、淡い緑の餡。
忘れられない大福の餡は、淡い緑。
淡い緑色の餡は、優しいクリーム色のスポンジとプリンに挟まれていました。
手で触れただけで、ふわっ…ふわっ…と、新雪を手に取るかのように、やわらかな感触。
少し手で触れると、ふわっと形を変える、この忘れられない大福。
裏返すと、求肥の皮が重なり合い、溶けてしまいそう。
ひやっとした感触に、ふわっふわの、感触。
この感触も、忘れられない。
あと一口…いや…あと二口…?
いや…一口で食べて、消えていってしまいました。
忘れられない大福。それは限定品。
忘れられない大福。それは、限定品。
忘れられない大福は、限定品でした。
儚く消えていってしまいそうな、やわらかな色合い、感触、食感…それは、とある場所でしか売られていない限定品でした。
そう、あの場所でしか売られていない限定品。
そして、その命は1日限り。
手に入れた、その日しか、食べることが出来ない限定品でした。
忘れられない大福。それは…ずんだ茶寮のスイーツ大福。
とある人は、最後に私に確信を得たかのように尋ねました。
「さては、ず○だ茶寮大丸東京店でしか購入できない代物ですね?」
「はい。その通りです」
そう…、忘れられない大福は、
ずんだ茶寮の大丸東京店でしか購入できない限定品。
ずんだ茶寮のスイーツ大福。
ずんだ茶寮の大丸東京店のみで売られている、ずんだスイーツ大福。
私にとって、忘れられない大福は、ずんだスイーツ大福だったのです。
東京に住んでいない私にとって、東京の東京大丸店のずんだ茶寮でしか手に入れることが出来ない、ずんだ茶寮大福は、忘れられない大福となりました。
遠い地に赴いた時にだけ味わえるであろう、あの味わい。
1日限りの、儚さ。
その、儚さがさらに、忘れられなさを加速させます。