ネオーラル(シクロスポリンカプセル)を服用していると
「グレープフルーツは避けてください」
と薬局で説明されます。
- (グレープフルーツ以外の柑橘類っていいの?)
- (結婚式とかで出る少しだけなら食べていいの?)
- (どのくらいどんな影響があるの?)
と疑問に思っていました。
そのため、薬局で尋ねてきました。
目次
グレープフルーツは、避けた方が賢明(食べたからすぐにどうなるということはない)
薬局で尋ねたら、説明のための用紙をいただきました。
グレープフルーツには、「フラノクマリン類」という物質が含まれています。
フラノクマリン類が「効果や副作用を強く出してしまうことがある」とのことです。
薬の服用前後を避けたとしても、「フラノクマリン類」の影響が出る可能性があると説明されました。
数日間は影響が出ると考えてよいとのこと。
つまり、ネオーラル(シクロスポリンカプセル)を服用し続けているのであれば、グレープフルーツは避けましょうという結論です。
グレープフルーツ以外の柑橘類はネオーラル(シクロスポリンカプセル)服用中に食べても大丈夫なのか?
グレープフルーツを避けていいことは分りました。
それではグレープフルーツ以外の柑橘類は食べても大丈夫なのでしょうか。
グレープフルーツ以外にも、「フラノクマリン類」は含まれている柑橘類があるので注意する必要があります。
柑橘類の皮入りジャム
ピール
乾燥柑橘類
はほぼ食べてはいけないことが明確になった👀 https://t.co/SR1VSF6Xon#ネオーラル pic.twitter.com/CsRwRn0i0e— てむたむ🍀刺繍屋さん🍀 (@temtam8) January 23, 2022
高の原中央病院DIニュース2018年3月号に詳しいことが載っていました。
この表の中で「含有量が1,44より小さいものについては少量であれば接種してもよいと考えられています」と書かれています。
気にせずに食べられるものは、フラノクマリン類が含まれていないもの。
温州ミカン、デコポンの2種類です。
影響が少ない柑橘類でも気をつけた方がいい食べ物
影響なし(フラノクマリン類が含まれていない)は食べても大丈夫です。
影響が少ないとされている以下のものでも気をつける必要があります。
ポンカン、いよかん、ゆず、すだち、かぼす、きんかん、ネーブルオレンジ、スウィートオレンジ、日向夏、レモン
それは、「果皮」を含む加工品です。
例えば、以下のような食品。
- ピール
- 皮入りジャム
- フルーツスティック
- 柑橘類のジャムが使われているお菓子
グレープフルーツだと、フラノクマリン類の含有量は
- 果汁:13μg/mL
- 果皮:3600μg/mL
と比べものになりません(少量であれば接種してもいい基準は1.44)
柑橘系の加工品は非常に注意が必要です。
柑橘系以外の食品で気をつける必要がある食品
パセリ、セロリ、三つ葉、いちじく、ざくろ…など
(参考:大阪国際がんセンター)
摂取を控えるべき柑橘類などまとめ
最後に、摂取を控えるべき柑橘類などをまとめておきます。
摂取を控えるべき柑橘類
- グレープフルーツ
- スウィーティー
- メロゴールド
- バンペイユ
- レッドポメロ
- ダイダイ
- ブンタン
- ハッサク
- サワーポメロ
- メキシカンライム
- 夏みかん
- パール柑
- サンポウカン
少量であれば摂取してもよいとされる柑橘類
- レモン(果汁のみ)
- 日向夏(果汁のみ)
- スウィートオレンジ(果汁のみ)
- ネーブルオレンジ
- ポンカン
- いよかん
- ゆず
- かぼす
- スダチ
- キンカン
フラノクマリン類が含まれていないとされる柑橘類
- 温州みかん
- デコポン
参考文献
- 酵素免疫測定法による食物・生薬中のフラノクマリン類含量のスクリーニングScreening of Furanocoumarin Derivatives in Foods and Crude Drugs by Enzyme-Linked Immunosorbent Assay
- 果実果皮加工食品のフラノクマリン含有量とCytochrome P450(CYP3A)阻害性:果皮の加工過程における6′,7′-dihydroxybergamottinの流出
- 高の原中央病院 DIニュース 2018 年 3 月号
- グレープフルーツ以外にも注意したい食材(大阪国際がんセンター)
- 薬剤師による調剤薬局の仕事解説
ではでは。