ネフローゼ症候群になってから、2年ほど経ちました。
初発から、酷い再発を繰り返し、入退院を繰り返してきました。
再発時には、プレドニンを80mgまで増やす必要があるため、前職を退職し、2年に渡って仕事に就くことが出来ず、療養生活を送ってきました。
体調が落ち着いてきたため、就職活動をはじめ、正社員として内定を頂くことが出来ました。
私、一個人の体験談ですが、これから就活をする方の参考になれば幸いです。
この記事は、難病になり、長期療養のためにブランクがある状態から、仕事を探している方に読んでいただけるといいなと思って書いていきます。
目次
難病の理解のしにくさや、企業側の不安
病気になる前までは、健康体でした。
「難病」と言っても、世間一般的には、
「なんだか大変そうな病気を抱えている人」
と思われることが多かったです。
明確な治療法が確立されているわけでもなく、自分自身でコントロールできるわけでもないので、私自身も「バリバリ働けます!」ともいえる状況ではありませんでした。
退職理由として、病気退職を書かなければならない状況でしたので、書類選考で落とされることも実際ありました。
就活時に注意した点
就活時に注意した点は、3点です。
- 履歴書に「難病」についてどう書くのか
- 面接で「難病」や「定期通院」についてどう伝えるのか
- どのような職種や仕事が自分に向いているのか
以上の3点について注意しました。
周りの人や、ハローワークの障がい者窓口の方、職業訓練の先生に相談をし、客観的に修正や指導を頂きました。
1つずつ説明していきます。
履歴書に「難病」についてどう書くのか
就活の第一関門である履歴書。
履歴書は、自分自身の顔であり、第一印象です。
そこに「難病」についてどのように書くのが良いのでしょうか。
職業訓練の就職支援の先生からアドバイスをいただいた点を採用しました。
退職理由に
「難病のため退職」
と書いていました。
しかし、これを読んでいただいた時に、「難病」という言葉にインパクトがありすぎて内容が頭に入ってこないため、以下のように書き直してはどうかと、アドバイスをいただきました。
「断腸の思いで病気治療のため退職」
と書き直しました。
病気については、本人希望欄のところに、
- 持病があるため事務職を希望すること
- 1か月に1回程度通院があること
- 長く働きたいため、激しい肉体労働を避けたいこと
を文章で書きました。
履歴書には、「難病」という文字は書きませんでした。
ただ、隠したわけではなく、応募の時点では、ハローワークの障がい者窓口から「難病患者であること」を伝えていただいて、応募してもいいかどうかの確認をしていただきました。
面接では、どんなことを聞かれたのか
無事、書類選考を通って、いくつか面接させていただくことが出来ました。
難病について、オープンな状態で就活をしていたので、病気について尋ねられることがありました。
- 仕事をするときに、どのような配慮が必要か
- パートではダメなのか
- 点滴治療の次の日は、体調は大丈夫なのか
といったことを聞かれました。
面接では、
- 通院日に、公休日を配慮して頂く必要があること
- マスクや手洗いを徹底して仕事をさせてもらいたいこと
- 1年間体調が落ち着いているため、最初はパートからでもいずれは正社員がいいこと
- 点滴治療の次の日は、微熱が出ることもあること
と、以上のように、正直に話をしました。
- 公休日は、すべて100%保証することが出来るとは限らないこと
- 微熱が出たら、休んでもらう可能性もあること
と話されましたが、それほど驚かれることはありませんでした。
どのような職種・仕事を検討したか
無事、内定を頂くことが出来たのは「事務職」です。
今回の就活では、幅広く様々な職種や仕事を検討しました。
前職は、肉体労働を伴う仕事だったため、今までの経験を活かすには、無理が生じる可能性があったからです。
仕事を検討する際には、以下の3点を考慮しました。
- 「Can(できる仕事)」
- 「Want(やりたい仕事)」
- 「Must(どの程度稼がなければならないか)」
私にとって、
- 今後も続けたいと思える仕事
- 再発して入院したとしても、短期間で復帰が出来る仕事
- 必要な収入額に近い仕事
- 再発しないために、極度に負担のかかる仕事ではない
- 通勤の負担が少ない、家から近い職場
という観点で探しました。
実際に検討した仕事
私が実際に検討した仕事は、
- 年間休日が120日近く、残業時間が少ない事務職
- 年間休日が110日以下だが、家から近く、残業がない事務職
- 肉体労働だが、専門職のためパートでも時給が良い仕事
- 派遣の仕事の中でも、正社員登用の実績がある仕事
- 派遣の仕事の中でも、「紹介予定派遣」という正社員登用前提の仕事
です。
通勤時間や残業時間も、仕事を探す際には重要です。
いかに、時間外の時間に身体を休めて働くことが出来て、働き続けられるのかを大切にしました。
すべてを網羅した仕事はないので、どこを妥協するか自分で覚悟する必要があります。
就活時に利用した制度や支援
就活時に、国の制度や支援をしっかり利用させていただきました。
私が、利用した制度は、
- 特定求職者雇用開発助成金
- 公共職業訓練
- ハローワークの障がい者専用窓口
- 一般転職サイトのカウンセリング
です。
(「難病患者就職サポーター」も利用予定でしたが、その前に内定を頂きました。)
就職が決まってから、色々なことが不安になって、「難病患者就職サポーター」の方に電話で相談をしてみたらめちゃくちゃ丁寧に相談に乗ってもらえて、すごくよかったので、その時のことも後々書こうと思います。
特定求職者雇用開発助成金
特定求職者雇用開発助成金は、難病患者が就職した際、国から企業に雇用形態に応じて支給額が支払われる制度です。
「難病患者」というだけで、門前払いをされてしまうこともあるため、この制度に救われた部分もありました。
ハローワークの方がハローワークの紹介状にホッチキスでリーフレットを留めてくださいました。履歴書・職務経歴書と共に同封して送りました。
ハローワークからの紹介でない場合は、リーフレットを持参して、面接に挑みました。
資料を持参し、自分で説明することで企業様の負担を少なくし、私からも「武器」の1つとして制度を使わせていただきました。
公共職業訓練
私の前職は、肉体労働を含む仕事であったため、再発時にやすやすと戻れる仕事ではありませんでした。
そのため、再発して薬が増えていても、仕事を続けられるように事務職を目指して、公共職業訓練に通いました。
公共職業訓練では、ワード・エクセル・FP・簿記などに加えて、給与計算や総務の仕事について学びました。
未経験から、就職活動をするのではなく、
- 資格
- 学校に通学して勉強している実績
を強みとして、就活に挑むことが出来ました。
失業手当も頂きながら、通学することが出来るため、非常にありがたかったです。
FPの資格は、何かと治療費に毎月お金が飛んでいく難病患者にとっては、必須だと思います。私は、この「みんなが欲しかったシリーズ」を買いました。
簿記の知識は、「クレアール」が通信教育で一番安いので、職業訓練に通う前から使っていました。お金の知識はつけておいた方がいいです。
ハローワークの障がい者専用窓口
就職相談を、一般窓口でしていても、
- 病気への理解
- 企業に配慮してもらうこと
を考えながら、仕事を探すことが出来ませんでした。
私の住んでいる市の隣の市には、
- 「障がい者窓口」
- 「難病患者の就職相談セミナー」
があることを教えていただき、隣の市のハローワークまで赴きました。
障がい者窓口に行くと、専門のスタッフがいらして、
- 病気治療を続けながら出来る業種
- 私の身体の状態に合った仕事は何なのか
- 難病があっても、面接を受けてもらえるのか
といったことについて、ケアをして下さったり、声をかけて下さったり、企業に電話をして聞いてくださったりしました。
一般窓口だと、「さっさと就職してくださいね」といったように扱われてしまうこともありました。
障がい者窓口では体調面についても親身になって相談に乗ってくださるので、無職期間が長く、こころが砕け散っていた私にとっては、ありがたかったです。
最後に、就職活動で使ってよかった転職サイトと、その内容について紹介します。
就活時に登録したサイトとその選択理由
就活時には、転職サイトや派遣会社に登録をしました。
実際に、登録してよかった会社や、内容を紹介します。
Doda
転職サイトとして有名な、Dodaに登録しました。
Dodaでよかったのは、すぐにキャリアカウンセリングをして頂けた点です。
キャリアカウンセリングは、条件に合った仕事を紹介するために、相談に乗っていただけるサービスです。
電話で30~50分程度、話を聞いてくださり、アドバイスをいただけて、担当者がついてくれます。
求人数も多く、給料や雇用形態を比較するのにとても便利でした。
また、事務職以外にも、座って出来る仕事を提案して頂けて、就職活動時の検討職種の幅が広がりました。
Indeed
Indeedという転職サイトにも登録しました。
Indeedは、履歴書・職務経歴書を登録できるので、気軽に応募することが出来るのが良かったです。
Dodaと同じく、求人数が多く、Dodaにないけど、Indeedには載っている求人があったため、2つの転職サイトを利用しました。
テンプスタッフ
テンプスタッフは、事務系に強い派遣会社です。
派遣会社ですが、
- 正社員
- 紹介予定派遣(働き始めて半年で正社員登用になる)
といった求人もありました。
「派遣」の仕事でも、募集要項の中に「正社員登用の実績あり」と書いてある会社もあったため、正社員を目指している人も、登録しておくのがいいでしょう。
就職活動を始めた時には、派遣で働くことを想定していなかったのですが、未経験職種に就職したい私にとって、派遣で経験を積むのも1つの手段だと思い登録しました。
派遣会社を利用したことがなくても、丁寧にスタッフの方が電話で説明をして下さるので、とてもよかったです。しつこい勧誘などは一切ありませんでした。
病気を抱えての就活は、出来ることをやりきることが大切
病気を抱えての就活は、簡単なことではありませんでした。
途中で心が折れたり、悩んだりしました。
もう二度と正社員で雇ってもらうことが出来ないのではないかとも感じました。
一人で抱え込むのではなく、様々な転職サイトや、ハローワークの窓口で相談乗ってもらえて本当によかったです。
私の体験談が、どなたかの役に立てれば幸いです。