ネフローゼ症候群

「失敗を誰かのために話す練習」が生きる意味を失っていた私を救ってくれました。難病インタビューを受けて。

田んぼ

こんにちは。てむたむです。

 

私が、微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)と診断されてから、もうすぐ1年になります。

現在は、ステロイドの副作用や減薬時の身体のだるさなどに耐えながら、少しずつ、ステロイド薬を減らしています。

仕事を辞め、自宅で過ごしています。

 

ネフローゼ症候群は、寛解状態を2019年の2月から7か月保って過ごせています。

ステロイドを少しずつ減らす中で、副作用が少しずつ軽くなり、出来ることが徐々に増えてきました。

 

元々やっていた趣味や、仕事をすることはできなく、ほとんど友達に会うこともできず、一人で過ごしていることが多いです。

友達からは、

 

  • 「大変そう」
  • 「かわいそう」

 

と思われることや、ムーンフェイスをギョッとするような目で見られることもあります。

 

それでも、私は、生きることが「今楽しい」です。

 

なんで、楽しいか?って

 

理由はいろいろありますが、

 

  • 小さな当たり前が嬉しかったり
  • 今までの小さな特別が、とても嬉しかったり
  • 今できることを、叶えられるしあわせを感じられたり
  • 今、自分がやりたいことに丁寧に向き合うことが出来たり

 

するからです。

 

例えば、

 

  • 夫と一緒にご飯を家で食べられること
  • 車の運転をして出かけられること
  • 話したいと思った相手と、話が出来ること

 

病気をする前までは、当たり前だと思っていた、何とも思っていなかったことが、とても嬉しく感じます。

 

今回は、私が、微小変化型ネフローゼ症候群になってからの経験、そして、「今楽しい」と話すことが出来る理由を綴ります。

 

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失敗が怖かった、難病になる前の私

難病になる前の私は、失敗を怖がって、石橋をたたいて、壊すほど叩くような人でした。

子どもの頃から、失敗しないように、いかに優等生でいるかどうか、いかにいい子どもでいるかどうかを意識して生きてきました。

「よく見られたい」「褒められたい」と思い、人よりも努力をすることを意識し、平均点以上の人生を送りたいと思っていたように今では思います。

「普通」を目指して、生きてきた気がしています。

「普通」でないことを避け、努力し続けた結果、うつにもなり、パニック障害にもなり、自律神経失調症・適応障害、など、一通りの精神疾患も経験してきたように思います。

ストレス対処がへたくそな自分を何とかしたいために、精神医学や心理学、発達心理学を必死に学びました。

自分の経験を活かしたい思いもあって、精神科に就職しました。

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難病になり、生きる意味を見失った

そんな思いもあり、精神科での仕事はやりがいがありました。

自分のやりたかったことを、学び、仕事をし、また、勉強し、考えて。

私の目指していた「普通」を目指し、就職し、結婚をし、結婚式を挙げました。

結婚・引っ越し・仕事を頑張りすぎて、自律神経失調症になりましたが、復帰をし、妊活・家を建てるという段階を考え行動し始めた頃、ネフローゼ症候群になりました。

 

友達の結婚式に出る時に、足が浮腫み、

 

「太ったのかな」

「ちょっと体調が悪いな」

 

と思っていたら、あっという間に、浮腫み歩けなくなりました。

 

「難病」

「難病」

「難病」

 

 

「普通」を目指していた、私にとって、原因も分からず、いつ再発するのかもわからず、治療法も確立していない、「難病」になったのは、私にとっては、生きる意味を見失うに値するものでした。

 

入院日に、診察室で泣き崩れ、義父母さんがお見舞いに来てくれた時にも涙が止まらず、夫と一緒にいていいのかと、生きる意味も、生きていることが迷惑だとも自分自身のことを思ったことを、今でも覚えています。

 

病院のベッドの上で、病気について、スマホで調べ続けるも、出てくるのはネガティブな情報ばかり。

 

仕事を辞めるのかも、決めることが出来ず、今後、治療がどう進んでいくのかもわからず、歩くことも出来ず、座っていることも出来ない。

そんな状態の時に、お見舞いに来てくれた、友人・同僚・先輩と明るく話をするのが私の気晴らしでした。元気な私を演じることで、現実逃避していたのだと感じます。

 

それでも、会いに来てくれる人たちがいる、私に生きて欲しいと思ってくれていると感じ、ありがたく、救われる思いでした。

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うつになり、劣等コンプレックスを抱えて引きこもった

友人・同僚・先輩、そして夫に支えられながら、過ごしていました。

ステロイドうつになり、ムーンフェイスで顔がパンパンに膨れ上がり、劣等コンプレックスで、夫以外の人に会えなくなる日々を迎えました。

体力も落ちていたため、車いすで外出する日々を過ごしていました。

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再発し、先が見えなくて、涙が止まらなかった

ネフローゼ症候群の症状が、寛解状態になり、落ち着いて、徐々にステロイド薬を減らしていくものの、再発率は30-70%という再発理由の分からない病気を不安に思いながら自宅で過ごしていました。

不安な思い、車いすで外出をする日々の中、高校時代の親友に会う約束を出来るまでになりました。退院してから3か月後に、会う約束をしていたその親友は、会う前に突然死しました。

会いたくても、会う約束をしていても、会えなくなると、心から思い知りました。

そして、私自身も、その後、間もなくして、再発をし、入院をし、24時間機械でコントロールされた点滴に繋がれた生活をすることになりました。

 

「こうやって一生、入退院をして過ごすのだろうか」

 

そんな思いで、いっぱいになりました。

仕事も出来ず、治療費ばかりかかり、夫に負担をかけて、生きるのだろうか。と。

ステロイドを再び増やし、さらに副作用が強く出て、復帰する予定だった仕事も退職しました。

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生きる意味が欲しくて、自分のためにはじめたブログとツイッター

「普通」の人生を失い、

いつまで続くのか分からない入退院する人生を思い浮かべ絶望し

ステロイドの副作用でうつになり、生きる気持ちが薄れ

それでも、繋がれた点滴を外して、薬を飲まないという勇気もなく

 

「いったい、どうしたらいいのか」

 

と、薬に生かされているという状況を、ありがたくも思いながらも、苦しく思う気持ちがありました。

 

何もできないだけでなく、迷惑をかけ続けて生きていく「これから」を考えることなんてできませんでした。

 

それでも、生きなければいけないのであれば、

  • いつかよくなるかもしれないと祈るような気持ちで、
  • いつかよくなれば誰かの希望になるかもしれないと、祈るような気持ちで、

ブログとツイッターを始めました。

 

働くことも出来ず、入退院をし続けて、治療費がかかり、夫に迷惑をかけ、死にたくても死ねない。

 

そんな考えが、頭の中をぐるぐるする中、

 

「いつかよくなったら、それが誰かの希望になるかもしれない」

 

と思って始めたのが、ブログとツイッターでした。

 

ブログを無料ブログではなく、ワードプレスのブログを立ち上げたのもあって、必死に新しいことを勉強する中で、没頭しました。

没頭する中で、クロネさんのブログヒトデさんのブログを見て必死に勉強をし、実際に実行してみました。ツイッターでは、自分の経験を誰かのために役立てるために、ブログを書いている人たちとも出会うことが出来ました。

 

ブログを始めたことで、

 

「失敗を誰かのために話す練習」

 

をすることができました。

失敗を避け、石橋を壊すほど叩いて渡り、「普通」を目指していた私を救ってくれたのは、「失敗を誰かのために話す練習」ができるブログでした。

 

失敗も、できなかったことも、乗り越えた時のことを考えて、明るい未来を思い描いて進むことができるようになったのは、ブログと、それを一緒に取り組んでいる、ツイッターで出会った沢山の友だちでした。

顔も見たことない、声も聞いたこともない、ブログの友だちの姿に支えられました。

生きることを諦めず、今、出来ることに集中している、自分の経験を誰かに届けるために努力している姿に、支えられて、今の私があります。

猫と文字
【病気で休職・休学】暇で過ごし方に困っている方へ。ブログしていたら自分が救われた話。こんにちは。てむたむ(@temtam8)です。 今日は、病気で休職・休学期間中に、少し元気が出て来て、暇を持て余している方に向けて...

人とは、社会的な生き物である。行動に移せた難病インタビュー

ステロイドうつで、

 

死にたいけど死ぬ勇気も気力も残っていない

 

と再発した病院のベッドの上で一人で思い続け、退院してからは、没頭することで、なんとかしのいで生きてきました。

ステロイドうつと、ムーンフェイスで人にも会えず、生きる意味を失っていました。

 

人は、社会的生き物です。

人は、人と接することで、人の中にいることで、自分を認識することが出来ます。

人と関わることが出来なくなって、どんどん自分を見失い、それでも、ブログをやっている沢山の友達の姿に支えられ、ツイッターで偶然見つけた、くまのななさんのブログの記事に出会いました。

 

くまのななさんは、病気の方にインタビューをするお仕事をしているようでした。素敵な文章に惹かれ、ふと、何も考えずに、ツイッターで連絡をし、

 

私の経験も活かすことが出来るのかな

 

と思い、「私の経験も活かすことが出来れば、いつかお話しできたら」と、話をしました。

 

そして、難病インタビューをしていただけることになりました。

生きる意味も、未来にも絶望していたところから、少しずつ前に進め、実際に形になった経験が私の自信につながりました。

誰に、どう届くのかわからないけれども、それでも 「今の私」を肯定するのには、難病インタビューが形になっていく時間は十分な時間でした。この頃、ネフローゼ症候群にかかりながらも生きている方たちと、ツイッターとお話しすることが増えたような気がしています。

色々な、生の経験を、リアルタイムで聞いたり、話したりする中で、私のブログに感想を下さる方もいました。そして、難病インタビューに対しても、感想をいただけました。

 

同じ病気でも、治療法も違ったり、経過も違ったり、再発原因は分からなかったり、そんな曖昧な病気でも、共感してもらうことが、私にもできるのだなと感じることが出来ました。

 

違う病気であっても、ステロイド治療をしている方からも、声をかけてもらえることもありました。

 

 

病気の治療と言っても、病気と闘っているというよりも、ステロイドの副作用と戦っているような毎日を過ごしています。

ステロイド治療をしている方たちとお話をできる貴重な機会を、共感してもらえる機会をもらえた、インタビューに、くまのななさんに、ブログに、ツイッターに感謝しています。

 

色んな方のブログに、闘病のインタビューに、ツイッターに自分を重ねながら、明るい未来を思い描きながら、読ませていただいています。

 

最悪の未来を描いていた私から、明るい未来と、「今」この瞬間を生きることに集中しようと思おうと思えるようになりました。ネフローゼ症候群になったことや失ったことは、悔やんでも悩んでも、変えることは出来ません。

 

変えることが出来るのは、「今 この瞬間」

 

そう考えるようになりました。

 

発信することで変わる今

ブログを始めた頃は、誰も見てくれないと思っていました。

実際には、ブログも、難病インタビューも、読んでくださる方がいました。

 

私のツイートに力をもらっていると、声をかけてくださる方もいました。

何もできないかもしれない、形にならないかもしれない、そんな思いを抱えながらも必死に続けたことで、「絶望していた今」から「今」が変わりました。

 

最悪の未来を描いていた今から「今楽しい」と言える時間を持てるようになりました。

 

どうせ、生きるなら、最悪の過去を描いて絶望して生きる今ではなく、自分で「今」を変えて、生きていくことができると思っています。

 

くまのななさんに、ふと、メールを送った私のように、「今」を強く意識し、いつ再発するかわからない未来を怖がり続けるのではなく、「今楽しい」を積み重ねて、「楽しかった時間」を積み重ねて、生きていきたいと思っています。

 

 

 

 

 

ではでは。

船と海
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POSTED COMMENT

  1. ぺっぺ より:

    こんにちは。
    はじめまして。
    私も今年の1月に微小変化型ネフローゼ症候群を発症しました。ステロイドを減らす過程で頻回再発しまい、うまく治療が進まず、不安を抱える中、てむたむさんのブログを見つけました。とても分かりやすい言葉で真っ直ぐに気持ちを書かれていて、共感できる部分も多く、読んでいて元気がでます。
    これからも楽しく読ませていただきます!
    とても感動したので、慣れないですが、突然コメントしてしまいました。
    素敵なブログありがとうございます。

    • てむたむ より:

      ぺっぺさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
      1月に発症されたのですね。私も、10月に発症して、ステロイドを減らす過程で1月に2回再発しています。

      ぺっぺさんがコメントくださったように、本当に、「治療がうまく進まず、不安」で、周りに同じ病気の人もおらず、ここでブログを書いています。
      こうやって、コメントくださること、本当にうれしく、私自身が救われます。ありがとうございます。
      また、よかったら、気軽にコメントしていってください♬
      元気もらいました☆

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